What’s new新着情報

ローンなしで開業! メリットだけではなくデメリットも知っておきたい

クリニックを開業するときには、多額のお金が必要となります。この資金を用意するための方法はいくつかありますが、代表的なのは、「手持ちのお金を使う」「融資を受ける」の2つでしょう。
今回はそのなかから「手持ちのお金を使う」を取り上げて、そのメリットとデメリット(特にデメリット)について解説していきます。

ローンなしで開業! メリットだけではなくデメリットも知っておきたい

「無借金状態での開業」のメリットについて

無借金状態での開業には、「借り入れているお金に利子がつかない」という強力なアドバンテージがあります。このメリットは非常に大きく、たとえ患者様の集患が上手くいかなくても、借金の支払いに苦しむことはありません。

また、決算書が非常にきれいな状態になるため、金融機関からの信用も非常に高くなります。「ほかのところにも分院したい」「今後、新規で行いたいことがある」などのような場合は、無借金開業~無借金経営を目指すとよいでしょう。

さらに、無借金開業~無借金経営の場合は倒産のリスクも軽減できます。加えて、融資先の顔色をうかがう必要もなくなるため、自由に意思決定ができるようになります。

日本では無借金開業~無借金経営を目指す企業が多く、5つ~4つのうち1つが無借金企業だとされています。また医療・福祉系はこの値が突出して高く、全体の76パーセント程度が無借金企業です。

出典:
株式会社東京商工リサーチ「「無借金」企業率は21.6%、コロナ前より2.8P下落 コロナ支援のゼロ・ゼロ融資などの活用でダウン」
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1197653_1527.html

ローンなしで開業! メリットだけではなくデメリットも知っておきたい

無借金開業~無借金経営にはデメリットもある

このようにメリットが多い無借金開業~無借金経営ですが、ここにはデメリットもあります。

まず1つめのデメリットが、「何かあったときに現金がショートしやすい」という点です。
「クリニックを開業してなお、十分な現金がある」という場合はよいのですが、そうではない場合、突発的な出費が必要になったときに対応がしにくくなります。またこのような段階になって初めて融資を受けて乗り切ろうとしても、「現金が少ない人・クリニックには融資がしにくい」ということで、融資を断られてしまうことがあります。「今まで一度も融資を受けたことがない」「付き合いのある金融機関がない」ということであれば、なおさら評価は厳しくなります。

また、無借金開業~無借金経営にこだわりすぎた場合、必要な設備や人材をそろえられなくなる可能性も高くなります。検査や診断、治療に必要な機械があっても購入にちゅうちょしてしまった場合、「ほかのクリニックでは受けられる治療でも、あそこのクリニックでは制限が出る」などの評価に繋がり、結果的に集患に失敗することもあるでしょう。
スタッフの数が少なすぎて案内に時間がかかるようならば、「つらいなかで長く待ちたくない」ということで、患者様が1回きりで見切りをつけてしまう可能性もあります。

さらに、新しいことを行いたいと考えた場合でも、手元にお金がない→融資を受けたいが、付き合いがないから融資を受けにくい→あきらめなければならない という流れになってしまう危険性が高くなります。このため、将来的に分院をしたいと考えていたり、新しい機材を取り入れたいと考えていたりする場合は、「本当に無借金開業でよいのかどうか」を考える必要があります。

無借金開業~無借金経営はメリットも多いものですが、デメリットもあるものです。無借金での開業と融資を受けての開業は、どちらかだけが正しく、どちらかだけが間違っているというものではありません。ただしっかりと考えて、自身にあった方法を選ぶことが重要です。

私たち株式会社メディカルコンサルティングは、開業時の資金計画などのご相談もお引き受けしています。お気軽にご相談ください。