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医療法人化を行うときの目安

「勤務医から、開業医へ」は、医師のステップやライフスタイルを考えるうえでの非常に重要な分岐点となります。しかし開業医になった後にも、もうひとつ、大きな分岐点を迎えることになります。

それが、「医療法人化するか、それともしないか」です。

法人化

医療法人化するときのタイミングとは

医療法人化するときのタイミングとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • より広い事業展開を考えている
  • 保険診療が5000万円以上もしくは保険診療+自由診療が7000万円以上である
  • 事業継承を考えている

それぞれ見ていきましょう。

・より広い事業展開を考えている

医療法人化することによって、それまでできなかったことが可能になります。そのなかでも特に大きいのは、「分院ができる」という点です。

個人病院の場合、開設できる施設数は1か所までと決められています。また業務の範囲は、診療所などに限られていて、看護学校や介護老人保健施設などは開設できません。

そのため、「クリニックを開院したが、想像以上に集患ができており、さらにニーズの高いところでクリニックを運営したくなった」「地域医療や看護を考えたときに、高齢者施設や教育施設を展開したくなった」などの場合は、医療法人化を積極的に考える必要があります。

・保険診療が5000万円以上もしくは保険診療+自由診療が7000万円以上である

クリニックの報酬がある一定のハードルを越えた場合、医療法人化する方が経営上プラスになることがよくあります。

詳細な計算は省きますが、そのラインは「保険診療で5000万円以上、もしくは保険診療+自由診療で7000万円以上」とされています。この金額以上の場合は医療法人化した方が、国に納める税金(課税所得)の負担が軽くなります。

・事業継承を考えている

意外に思われるかもしれませんが、個人クリニックに比べて、医療法人の場合の方が事業継承を行うのは容易です。

個人クリニックで事業継承を考えている場合は、一度廃院の手続きをしなければなりません。これは、クリニックの開設者・管理者が変わることによるものです。そして廃院にした後に、さらにもう一度、新しくクリニック開設の手続きを行う必要があります。また、重い相続税が課せられる可能性もあります。

しかし医療法人していた場合は、廃院の手続きをする必要がありません。理事長を変更するだけで継承が完了しますし、相続税もかかりません(※平成19年4月1日以降に設立したもの)。

難しい問題

医療法人化の難しさも知っておきたい

上記で挙げたように、

  • より広い事業展開を考えている
  • 保険診療が5000万円以上もしくは保険診療+自由診療が7000万円以上である
  • 事業継承を考えている

を満たしている場合は、医療法人化をした方がメリットが大きいといえます。特に、分院やほかの事業への展開を考えている場合は、医療法人化することが必須です。

ただ、医療法人化することによって、社会保険に加入することが強制となりますし(個人クリニックの場合は、従業員が4人以下の場合は加入は必須ではない)、立ち入り検査を受けることも原則必要ありません。また、登記をせずとも施設を運営することができます。

しかし医療法人になった場合は、従業員が何人であろうと社会保険に加入することが必須となります。また定期的な立ち入り検査を受ける必要が出てきますし、登記も行わなければなりません。そのため、書類手続きなどは煩雑になりがちです。

医療法人化は、クリニックを運営している人ならば、一度は考慮すべきものだといえます。それによって得られるメリットは、非常に大きいものです。

ただ、すべての人・すべてのクリニックにとって、医療法人化することがベストの選択肢になるかというとそうではありません。また、タイミングの問題もあります。

弊社では、「法人化すべきかどうか」「法人化するとすれば、どのタイミングがベストか」に悩む先生方のサポートをしています。経営の悩みや医療法人化の悩みをお気軽にご相談ください。

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