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科による診療圏の違いを考える

クリニックの開業にあたってもっとも重要な要素のひとつとして、「土地選び」があります。クリニックは一度開業してしまえば、そう簡単に引っ越しができるものではありません。そのため、「どこで開業するか」はしっかり考える必要があります。
そしてこの土地選びを行うときの判断基準のひとつとして、「自院の科に合った診療圏を選ぶこと」が挙げられます。

科による診療圏の違いを考える

クリニック開業、土地選びと科の関係

病院に通うとき、私たちは「通いやすさ」を考えます。もちろん深刻な病気を患っていたり、近隣のクリニックの評判が著しく悪かったりすればその限りではありませんが、基本的には「家もしくは学校・会社から近い所あるいは通学路・通勤路」にあるクリニックに通おうとします。
また、都心部などの場合は車を持たない人も多いため、公共交通機関を利用して行ける場所などが好まれます。

科によって選ぶべき土地が変わってくるというのも、この「通いやすさ」が関わってきます。
たとえば小さなお子さんを持っているご家庭の場合は、「体調の悪い子どもを抱えて、電車とバスと徒歩でやっとたどり着ける病院に行くことはなかなか難しい」と考えるでしょう。
逆に、AGAクリニックなどのようにデリケートな分野を扱う科の場合は、「ここに入る人はAGAの治療中である」とすぐに分かるような郊外の一戸建てのクリニックよりも、多くの店が入っていて会社帰りに通える雑踏ビルなどの方が通いやすいと考えるでしょう。

このように、一口に「クリニックを開業する」といっても、自院がメインとする科によって選ぶべき場所が変わってきます。

それぞれの科にとって望ましい立地を考える

上でも少し紹介しましたが、ここからはより細かく、「それでは自院の科にとって、望ましい立地とはどのようなものか」について考えていきましょう。

科による診療圏の違いを考える

・小児科
小児科の足を運ぶ親御さんは「体調の悪い子どもを、公共交通機関で連れ歩きたくない」として自家用車を使う人が少なくありません。そのため、駅前などにはこだわらず、郊外かつ学校などが近くにある住宅地を選ぶ方がよいでしょう。またこのような事情があるため、駐車場はほぼ必須で、かつ広めの駐車場が確保できる土地を選びます。

・美容関係の科
美容医療の利用者層の中心は、20代の女性であり、10代と30代の女性が続きます。また統計結果では、10代男性のうちの60パーセント近くが「利用したもしくは興味がある」と答えていて、20代と30代の男性も55パーセント近くが同じように回答しています。
特にメインターゲットとなる(成約に結びつく)20代~30代の多くはそのほとんどが社会人として通勤しています。
彼らを呼び寄せるためには、「会社帰りに立ち寄れるクリニック」である必要があります。そのため、多少土地代が高くても、また狭くても、通勤帰りに寄れる駅前のビルなどでの開業が望ましいでしょう。

・AGAや泌尿器科
AGAや泌尿器を扱う科は、その性質上、非常にデリケートなものです。「通っていることを知られたくない」という人も多いことでしょう。ご家族に知られずに通いたいという気持ちに応えるために、仕事帰りに寄れる駅近の物件を選ぶことが推奨されます。
また、「入るところを見られたくない」という人の気持ちに配慮して、雑居ビルもしくはほかのクリニックも入っている医療ビルなどを選ぶと立ち寄りやすくなります。

・産婦人科および婦人科
小さなお子さんや妊婦さんも対象とするので、駐車場を確保できる立地を選ぶのが鉄則です。また女性一人で通うことになるケースも多いため、安心して通える治安の良い場所に開業しましょう。
トイレを広めに作ったり、荷物を運んだりすることも必要になるため、確保すべき敷地面積は比較的大きくなります。

・眼科
「どこまで、何を診るか」によって選ぶべき場所が変わってきます。
手術を行うクリニックの場合は駅近の物件が理想です。駐車場もあればなお良いのですが、眼科の手術後は運転できないこともあるので、公共交通機関があるところの方がよいでしょう。
「一般的な目の診療を行う」という場合は、意外とショッピングモールなども開業の場所として有益です。買い物帰りに寄れるというメリットは大きく、またスペースもそれほど必要としないため、小さいスペースでも集客が見込めます。眼鏡屋もしくはコンタクトレンズ専門店などとの連携も取りやすく、集患率がアップします。

弊社では、クリニック開業や人材に関する医療機関向けコンサルティングを提供しておりますので、お気軽にご相談ください。

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