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求人倍率から見る人手不足の問題~「人が足りない!」をどう解決していくか?

医療・介護の業界は、常に人手不足だといわれています。新型コロナウイルス(COVID-19)が流行したときに、「医療従事者の数が足りない!」と叫ばれているのを耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。

ここでは、「医療従事者の求人倍率と、それを病院側からとらえたときの考え方」について解説していきます。

「雇用される側」からすれば、有効求人倍率の高さはメリットとなりえるが…

令和3年の11月に厚生労働省が出したデータによれば、「医師・薬剤師などの有効求人倍率は1.94倍、新規求人倍率は3.57倍」ということでした。また、「医療技術者」でまとめた項目にいたっては、有効求人倍率は3.01倍、新規求人倍率は4.80倍です。

これはほかの職業に比べても非常に高いといえます。これを上回る業界としては、「介護や保健医療」、あるいは「建築関係」程度しかなく、非常にニーズの高い状態にあることが示唆されています。また医療の分野は、介護の分野と同様に、今後も需要が尽きることは絶対にないものです。

このような状況は、「仕事を求める側」「雇用される側」からすれば、歓迎すべき状態だといえます。医療の分野は常に売り手市場であるため、働く場所に困ることはなく、自分で好きに条件を設定して、「より自分を高く買ってくれるところ」「より自分が働きやすいところ」を選ぶことができるからです。出産や子育てでブランクがあった人や、定年後に少しだけ働きたい……という人でも入りやすく、非常に良い環境にあるといえます。

しかし、病院側の視点から見ると、「人手が足りないのに、なかなか募集が集まらず人を雇用できない」「辞めた人の穴を埋めたいのにできず、ほかのスタッフの負担になっている」などの状況に陥りやすい状態であるといえます。

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和3年11月分)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22823.html

病院側、働く側、両方にとっての「より良い求人」とは

上記のように病院側が人手不足だからといって、「とにかく人手を確保するだけ」の求人を行った場合、後々まで響くダメージになりかねません。 当然のことながら求人情報を出すには求人内容や求人の文言を考える時間が必要ですし、場合によっては掲載費用がかかることもあるでしょう。

その場合せっかく雇い入れた医師や医療従事者がすぐに辞めてしまったら、コストも時間も教育にかけた人手も無駄になってしまいます。

これは、人手不足にあえぐ病院をさらに追い詰めることにほかなりません。

このような状況を避けるためには、まずは病院側が「自分たちの求める人材とはどんな人か」「『職場』として自分たちの病院を見たときの強み」を明確にする必要があります。「必要な人材」「自分たちの病院の強み」の解像度を上げてそれを表現することで、ミスマッチは起こりにくくなります。

つまり「何科の医師を求めているか」という基本情報はもちろん、経験年数何年以上の人が良いのか、どのような経歴・勤務形態の人が望ましいのかを明確にしておく必要があります。 また、自院のポリシーや強み(「残業ゼロ」「最新機器を完備している」「年収が高い」など)も、一緒に言語化してみましょう。 これらをわかりやすく提示することで、自院が求める人材が応募しやすくなるはずです。

株式会社メディカルコンサルティングでは、今回解説した「雇う側」と「雇われる側」、両方の立場からのサービスを提供しています。採用活動・転職活動を行う上で「上手く言語化できない」などの相談も受け付けていますから、お気軽にご相談ください。