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医療機関が理解しておきたいマイナンバー健康保険証

医療制度は日々移り変わっていっています。100年前の医療制度、50年前の医療制度、25年前の医療制度と現在の医療制度はまったく異なるものです。そして未来の医療制度も現在の医療制度とはまったく異なるものとなるでしょう。

今回はそのように移り変わりゆく医療制度のなかで導入された「マイナンバー健康保険証」について解説していきます。

※本記事は2023年4月末日に記しています。今後、マイナンバー健康保険証に代表される医療制度は変更されることも考えられます。必ず最新の情報にあたるようにしてください。

マイナンバー健康保険証とはそもそもどんなものか

「マイナンバー健康保険証」は、「マイナ保険証」とも呼ばれるものです。これは、マイナンバーカードと保険証を一体化したものであり、医療機関での手続きの軽減や診察費用の軽減を目的として作られました。

「マイナンバーカード」の制度は2016年に始まったものです。各人一人ひとりに対して特定の個人番号を与える制度であり、氏名や住所、生年月日や性別、個人の顔写真などによって構成されたものであり、本人確認の証明書として利用できるようになっています。また、確定申告に使われたり、行政機関のオンライン申請に利用されたりします。

「このマイナンバーと保険証を結び付けることで、各個人の医療機関での情報を管理しやすくなる」として、行政は2021年の3月から順次その導入を始め、2021年の10月20日から本格運用を開始しました。

賛否両論はあるが、医療機関として取り組まなければならないことがある

このマイナンバー健康保険証制度には賛否両論、メリット・デメリットがあります。そのためマイナンバー健康保険証制度の導入がされた今でも、反対意見はよく聞かれますし、運用において慎重にすべきだという声も出されています。
ただここでは、「マイナンバー健康保険証制度そのものの是非」を取り上げることはせず、「医療機関として何をすべきか、何をしなければならないか」について解説していきます。

2023年4月現在、「医療を受ける人」に対しては、マイナンバー健康保険証の利用は義務付けられていません。そのため、マイナンバー健康保険証を利用する人もいれば、従来型の保険証を利用する人もいます。

しかし「医療機関側」については話が異なります。医療機関側では2023年4月からマイナンバー健康保険証に対応するシステムの導入が義務化されたのです。ただ、2023年3月末の段階で、まだマイナンバー健康保険証を導入していない医療機関も45000件近くあることが分かっています。

ちなみに、「マイナンバー健康保険証システム導入のために業者と契約したが、まだシステムを入れられていない」などのような医療機関については、2023年の9月末までは猶予・移行期間を設ける、とされています。そのため、この期間までに導入が完了すれば問題はありません。
また、現在は猶予・移行期間であることもあり、このシステムの導入がされていなくても、罰則規定はありません。

今後も、マイナンバー健康保険証制度は変わる可能性もあります。しかし医療機関ではこのシステムの導入が義務化されたことは頭に置いておき、手続きをしなければなりません。システム導入にもある程度の時間がかかると予想されるので、できるだけ速やかに動いた方がよいでしょう。

なお、株式会社メディカルコンサルティングでは、さまざまな医療関係のニュースを提供しながら、医院の開業・運営のお手伝いをしています。お困り事がある際はご相談ください。

※本稿は2023年4月末日に執筆しています。今後、マイナンバー健康保険証制度を含め、医療制度は変更する可能性もあります。実際にアクションを起こす場合は、必ず最新の情報にあたるようにしてください。