
新型コロナウイルス(COVID-19、以下「コロナ」の表記に統一する)が流行していたころ、国からは頻繁に「マスクの着用を!」という呼びかけがなされていました。
しかし令和5年3月13日以降からは、”マスクの着用は、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本となりました。本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、ご配慮をお願いします。“
とされ、屋内であっても、マスクの着用の有無は個人の判断にゆだねられるとしました。
では、クリニック側は患者様に対してどのように考え、どのように働きかけていけばよいのでしょうか。
国も「医療機関への受診時はマスクをつけるべし」としている

上記の「マスクの着用は、(中略)個人の判断が基本となりました」とした発表は、令和5年2月10日付で発表されたものです。
ただこの報告と、令和5年2月14日には各都道府県・保健所設置市・特別区の衛生主管部(局)に対して出された「マスク着用の考え方の見直し等(特に医療機関における取扱い)について」では、
“(1)医療機関受診時
(2)高齢者等重症化リスクが高い者が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設等への訪問時”
―引用:厚生労働省「マスク着用の考え方の見直し等(特に医療機関における取扱い)
としています。続いて、「周囲に人がいないときや、患者様と接さないとき、会話しないときなどはこの限りではない」としていますが、マスクの着用が個人の判断にゆだねられるようになった後も、「クリニックではマスクをして」というのが国の基本姿勢だといえます。
患者様にどこまで求めるか、受診拒否はできるのか
このため、クリニックでは基本的には患者様に対してマスクの着用を求めることができますし、また求めるべきだといえます。特に大きくせき込んでいる人や発熱をしている人、感染症が疑われる人に対しては、マスクの着用を徹底させるべきでしょう。
マスクの着用を促す方法として、
- クリニックの入り口の扉に、「マスクの着用をお願いします」と赤文字で書いた張り紙を貼る
- 「マスクの着用をしない場合は、受診いただけません」とする
- 「ほかの患者様への感染リスクがあるので、マスクを着用しなければ院内にお入りいただけません」と案内する
なお「マスクを着けずに来院した患者様」は、単純にマスクを忘れてきただけのケースが圧倒的に多いと思われます。
このような患者様のために、2枚100円程度のマスクの自販機をクリニックに設置したり、1枚50円程度で受付で販売したりできる姿勢を整えておくとよいでしょう。なお、年齢や疾患が原因でマスクを着けるのがどうしても難しい患者様に対しては、車や、クリニック内のだれもいない部屋でお待ちいただくなどの案内が有効です。また、「マスクを着けられない小さなお子さんのために、カバーつきのベビーカーを用意している」としているクリニックもあります。
案内しているにも関わらず、「マスクの着用は個人の自由のはずだ、診断を拒否される理由はない」とおっしゃる一部の患者様に対しては、別室で待つように促すのが基本です。それでもなお受け入れられないということであれば、受診拒否をしても問題がないと考えられています。クリニックにはそもそも契約自由の原則がありますし、該当行為は不法行為や業務妨害にあたると解釈される可能性が非常に高いからです。
特にクリニックの場合は、合理的な感染予防措置をしなかった場合は、そのせいで生じた損害について賠償責任が課せられるため、患者様を守るためにも、クリニックを守るためにも、マスクの着用を義務付けることは重要です。
クリニックの運営には、さまざまな「困った!」があります。私たち株式会社メディカルコンサルティングでは、そのような「困った!」を解決するためのサポートをし、先生方のご負担を軽減するお手伝いをしています。
参考:
YAHOO!ニュース「「マスク拒否なら受診をご遠慮いただきたい」町医者VTuberの投稿に賛否 “院内での着用要請”法的正当性は?」

