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「友人同士での開業」のもたらすメリットとデメリット

「開業をすること」は、医師としてのキャリアを意識するうえで考慮しておきたい選択肢のうちのひとつです。そして開業をすると決めたとき、そのやり方の方法の1つとして「友人との共同開業」を考える人もいることでしょう。

ここでは、友人同士での開業がもたらすメリットとデメリットについて解説していきます。

「友人同士での開業」のもたらすメリットとデメリット

友人との開業がもたらす3つのメリット

友人と一緒に開業を行った場合のメリットは、主に以下の3つです。

  • より幅広い疾患に対応しやすくなる
  • 金銭面での負担が少ない
  • 経営に関する危機を乗り越えやすくなる

それでは、1つずつ見ていきましょう。

・より幅広い疾患に対応しやすくなる

医師にはそれぞれ専門分野があります。循環器を得意とする医師もいれば、アレルギー疾患を見る専門医もいます。
開業医は、非常に多くの患者さんを相手にします。そのような状況にあって、「自分の専門以外の分野に詳しい友人医師」がいることは、非常に心強いものです。

また医師は常に売り手市場の職業であり、多くのクリニック(病院)で「医師の手が足りないこと」が課題となっています。小さなクリニックであっても、最初から2人以上の人手が確保できる「友人との開業」は強いアドバンテージとなり得ます。

・金銭面での負担が少ない

医師2人で診察にあたることができれば、1日の開院時間で診られる患者さんの数が多くなります。また、「A医師は平日+土曜日の午前中を担当、B医師は平日+日曜日の午前中を担当」などのようにすれば、クリニックを長く開けておくことが可能です。このことにより、患者さんを確保しやすくなります。

また、クリニックの開業には初期投資やランニングコストがかかりますが、これを2人で分割するというやり方もとれるようになります。

・経営に関する危機を乗り越えやすくなる

経営の方向や集客に悩んだときに、相談できる相手がいるということは強い安心感をもたらします。 また、お互いのコネクションを利用したり、お互いの知名度や信頼度を集客につなげたりといった工夫もしやすくなります。
場合によっては、お互いのコネクションを利用することで、さらなる経営拡大をしやすくなることもあります。

「友人同士での開業」のもたらすメリットとデメリット

共同で開業することのデメリットも知っておきたい

ただし、共同で開業することにはデメリットもあります。

まず1つめに挙げられるのが、「報酬と仕事量のバランス調整が難しくなる」という点です。

「片方の仕事量が明らかに多い」という場合は仕事量が多い方が多くの報酬を受け取るということでバランスがとれますが、「お互いに自分の方の負担が多い」と感じている場合は報酬面での問題が起こりやすくなります。
さらに、「相手が仕事に対して不真面目な態度をとっていて、こなしている仕事量も少ないのに、『友人関係』であるために忠告がしにくい」などのような遠慮が生まれる可能性もあります。

もう1つの大きな問題は、「方向性が違ってきたり、友人関係が破綻したりした場合、仕事にも悪影響が及ぶ可能性が高い」ということです。
医療の方針の違いが出てきたり、報酬や仕事量に関する意見の食い違いで友人関係が破綻したりする可能性は十分にあります。この場合、クリニックの経営自体に問題が出てくる可能性があります。また逆に、クリニックの経営が上手くいかなくなったことで、友人関係が破綻する可能性もあります。

友人同士での開業は、人間関係や経営が上手く回っている場合はプラスの方向に向かっていけます。しかし人間関係や経営が上手くいかなくなると、マイナスの方向に向かう可能性が高くなります。
友人同士での開業を考えている場合は、このようなメリットとデメリットを踏まえたうえで判断するとよいでしょう。

株式会社メディカルコンサルティングでは、開業時のご相談からクリニック経営のご相談をお引き受けしています。お気軽にお問い合わせください。